「着うた」大手レコード会社の独占で単価下がらず 読売新聞より

読売はリンク条件があってうるさそうなので私的引用させていただきます。

着信音の代わりに歌手の歌声が直接流れ、若者などに人気が高まっている携帯電話の「着うた」。その配信をほぼ独占していた大手レコード会社などに26日、公正取引委員会の立ち入り検査が入った。

 巨大市場に成長した「着信メロディー(着メロ)」で出遅れた業界が、「着うた」では、著作隣接権をたてに、利益を出資会社に集中させていた疑いが強まっている。

 携帯電話の普及に伴って、着メロの利用者は年々増え続けている。作曲家、作詞家らの著作権を一括して管理している日本音楽著作権協会JASRAC)によると、月に約1億2000万回のダウンロードがあるという。

 着メロはJASRACに使用料を支払えばだれでも作って配信できるため、配信会社は200社以上、1000億円市場と言われるまで急成長した。

 ただ、著作権を持たないレコード会社にとっては、どんなに着メロの人気が上がっても、収入は得られない。このため、業界関係者からは、「せっかくヒット曲を世に出しても、おいしいところをもっていかれる」との不満の声が上がっていた。

 一方、歌手の歌声がそのまま流れる着うたは、着メロのように人気曲を“自作”することができない。このため、JASRACに使用料を払うだけでなく、著作隣接権を持つレコード会社の許諾も得なければ使用することはできない。

 そこに目を付けたエイベックスやソニー・ミュージックエンタテインメントなどのレコード会社は合同で出資し、2001年7月にレーベルモバイルを設立。10社以上がそれに加わり、「レコード会社直営♪サウンド」といった配信サイトの運営を直接手がけるようになった。

 携帯電話業界では、新サービスを歓迎する一方で、レコード会社主導のため、「市場原理が働かず、単価が下がらない」という声が上がっていた。配信会社同士の競争の結果、着メロが1曲10円以下まで安くなったのに比べ、音質の差はあるものの、着うたは1曲100円程度。通信料込みで200円近くで、CDシングルに比べても割高だ。

 CDの売り上げがピーク時の7割以下まで落ち込み、近い将来は、インターネットによる音楽配信が広まると見られており、レコード会社も本格的な参入を始めている。公取委が立ち入り検査に乗り出した背景には、こうしたネット配信の分野で、レコード会社の関連会社だけが市場を独占しないよう、一定の歯止めをかける狙いがある。

(2004/8/26/14:18 読売新聞 無断転載禁止)

あひゃ。結局「文化の振興」だの「創造のサイクル」だのえらそうな事言う割にはやってる事はこの程度だし。まあ販路を広げたのは評価できるけど、自分ところに利益が集中する仕組みしか作っていないのはアホです。集中するのはいいかも知れんけど、お題目と行動が一致していないから利用者離れが起きていることを自覚しろっつの。
その廉価で売るとか、広く薄く売る、という事を実行すれば言いだけなのよ。
言いたい事まだあるけど飯喰ってから書く。暫し待たれよ。
追記:考えをまとめると結局今まで散々書いてきた事をまた書く事になりそうなので「レコード会社」「利益」ってワードを上の検索窓に入れて検索して欲しいです。
最初の段落で「利益が集中するのはいいかもしれんけど」って書きましたが、レコード会社が会社だから利益を追求する集団であるからある程度はいいと思います。ミュージシャンに音楽を作らせてそれを録音するのに巨額の経費がかかるでしょう。関わる人も多いし製作日数も多いだろうし。売るための広告だとか営業もお金がかかるでしょう。そう言った経費を賄う必要があるし、株式を公開しているから株主にも利益を配当しないといけない。あと会社事体も大きくしないといけない。いろんなところにお金がかかる。
では使ったお金をどこから回収するかというとお客さんからしかないわけです。録音したものを売る。すごくお金をかけた音楽を売る。だから音楽を使う事でレコード会社がお金を取るのは全然オッケーです。だけど最近の動きはなんすか?欠陥円盤売ったり(念のために書きますがCCCDです)、輸入して良いCDといけないCDを自由に決める権利を手に入れたり音楽配信ビジネスを妨害したり。
そういったせっかく将来利益が得られるであろう事を自らの行動で台無しにする考えが本当に意味不明です。配信ビジネスなんか輸入権作った勢いで仕組み作ってしまえよ。そうすれば輸入権で得られる多分桁ふたつ以上の利益を得られるでしょう。時代の趨勢でオーディオがPCを中心としたものになることは間違いないんだから。海外ではすでに成功しているんだから今のうちに作っておかないと日本のレコード会社は本当にいくつか無くなってしまいますよ。
今まで音楽に何度も楽しませてくれたし、救ってくれたし恩があるからレコード会社にはがんばってほしいのよ。今まで何度も「死にさらせレコード会社」見たいなこと言ったけど本気ではないですよ。いや正直半分は本気だけど(わらい)、あんたたちならやってくれるし、やってもらわないと困るし、やれるのはあんたたちだけだから何度でも言います。
レコード会社って従業員を養っているのは当たり前だけどミュージシャンも養っているんだよな。そういうことも考えてレコード会社は行動して欲しい。レコード会社が潰れるってことは所属してるミュージシャンも廃業してしまう恐れがあるんだから。有名な人なら引く手数多だけどレコード会社のスカウトが見つけてきて育てようとした人だったりしたらかわいそうだよ。
それにしても今回のってなんか役所がある新しい方針や法律を作ってその為に予算を出させて、成功したら「何とか協会」を作って役人が天下りするって仕組みに似ていて非常に不愉快に思いました。輸入権問題も行き着く先はそういうことなので、監視の目を緩めてはいけませんな。